その美しさを描けない

割り切れないshotにgoodきてる

普通、アイドル20年やってらんないでしょ!?

 

 
Berryz工房をご存知ですか。
2015年3月3日に無期限活動停止した、ハロープロジェクトのアイドルグループである。
幼少期からアイドル活動を始め青春全てをアイドルに捧げ生きた彼女達は今、それぞれの道を歩んでいる。
そんなBerryz工房は2014年に「普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?」というシングルを発売した。アイドルなんて特殊な職業を10年もやって、そしてアイドルとして生きてきたことを誇りに思う…そう歌う彼女達がどれだけ輝いていたことか。特にラストコンサートでのパフォーマンスは涙で前が見えないほどの感動を与えてくれた。
 
V6は今年、デビュー20周年を迎えた。
最初に書いておくが、2つのグループを比較して20年がすごいと言いたいのではない。Berryz工房の活動停止の決断も、V6のアイドル活動を続けていくという決断も結果が異なるだけで強い意思の下にあると私は思う。 
Berryz工房のシングルをもじったこのタイトルも、気になった方は原曲の歌詞を見て欲しい。決してマイナスイメージを持っているものではない。まずその事を伝えておきたい。
 
 
私にとってアイドルは終わりのあるものだった。いつか彼女達はこの活動を辞める、それもそう遠くはない未来にその日は来ると常に心に刻んでいた。
だから終わりの悲しみも割り切って応援できるのだ。その青春を燃やし発光する彼女達の儚さすら愛おしむことがむしろ一種の醍醐味ではないか、とも思う。*1
 
20年アイドルを続ける。文字として打てば3秒だ。しかしそれは果てしなく長い長い時間だと思う。私は20年生きてすらいない。V6は私が産まれる前からアイドルなのだ。なんだか不思議な感覚だった。
 
 
そんなV6の、20周年を迎えた彼らの終わりとは?
ふっと不安になる時があった。
彼らは私よりずっと大人で、積み上げた歴史の上に堂々と立っている。彼らはどこまで、どこまで行くのだろう。いつまで歌ってくれて、踊ってくれて、コンサートをしてくれるんだろう。
 
いくら彼らが鍛えたり身体とうまく付き合ったりして未だにガシガシ歌って踊れる体力があっても、怪我や病気の危険は常に付きまとう。特に怪我。この前*2のバク転は単純にびっくりしたが、その後普通の床でバク転をすることの危険性を知った。
そういえば岡田さんがバク転で骨折した時の長野さん、というモノマネをしていた事を思い出す。昔から怪我しまくっていたとも言っていた。
 
先にバク転が危険なことを知っていたらあの日の私の悲鳴は違う意味になっていたと思う。
もし大怪我をしたら?踊れなくなることはおろか、それ以上の事態になったら?
私が心配した所でなんともならないとは重々承知だ。彼らがしっかり準備してOKを出したからバク転をしたのも分かる。
それでもしばらくドキドキしていた。
 
 
彼らを今後追っていくならば、私はずっとこのような思いをし続けるのか?
そう思うと苦しくなった。いっそ彼らを知らなければ苦しくなることも不安に駆られることもなかったんじゃないか。
でも知らないままがよかったかと言われるとそれは断じて違う。好きになってよかったと毎日思う。なんともわがままだ。
 
だけど、ファンというのは結局そういうものなのかもしれない。何かを好きになることは、それを失ういつかを待つ身になることだ。皆こんな思いを少なからず抱きながら、今日も好きで仕方が無い何かを追っているのだろう。
 
私はハロプロのコンサート現場において、物凄い勢いで泣く。この一瞬が永遠に続かないものと知っているから涙が出る。
V6のライブに将来参加する事があっても泣くと確信している。というかもう彼らがテレビに出る度に号泣している。でもどうして泣くのだろう、彼らは20周年を迎えてなお、その活動を続けていきたいと言っているのに。
 
その涙の理由を究極まで突き詰めるとV6みんなあと100年くらい生きて、だった。
こんなに年上の人を好きになったのは人生で初めてだ。アイドルである彼らを失うことよりもずっと重い悲しみがいつか・・と思うと頭が割れそうなのだ。
同世代とは言わない、せめて10歳差なら・・100年生きて、お願い・・と凄まじい鬱を聞いてくれた全くオタクでない友達に感謝しなきゃいけない。
私も成長したらもっと強い心になり捉え方が変わるかもしれない。今はそれに期待して、というよりも丸投げして考えるのを一時中断している。
だからそんな鬱が迫ってきたら、今を精一杯楽しまなきゃと考えるようになった。
 
コンサートに行きたい。私はコンサートを特別視している。
その時の彼らの瞳には何が映っているのか。それを知ることは叶わないから夢に燃えているであろう彼らの背中を見たい。
一生に何回もないだろう彼らと同じ空間にいる数時間をなんだかんだ待ち望んでいる。
 
 
20年活動を続けてきた中で、私には計り知れない程の数の問題があったはずだ。ただでさえすごい年齢差、加えて芸歴の差があり、ある時期からは個々の仕事が増えた。
岡田さんが自ら反抗期、と呼んでいる時期には俳優とアイドルについてたくさん考えていたんだろう。他のメンバーだってそれぞれ抱えるものがあって、それをぶつけ合ったり支え合ったりしてきた。
 
そうして20周年まで彼らはやってきてくれた。V6がメンバーとして出会ったことすら奇跡であるのに、ここまできたらメンバーの天国でMUSIC FOR THE PEOPLE踊ろう発言も実現するに違いない。
ファンは天国に行けるように今から徳を積む必要がある。私も。
 
 
何度も自分に言い聞かせる。生きている人を好きになることは覚悟が必要なのだ。アイドルとて例外ではなく1人の人間だ。
かと言ってうちわに覚悟決めてますなんて書くのは会場を追い出されかねないのでしない。頭の中だけで十分。
坂本さんが30年、40年……と未来に関してのことを、岡田さんはいい人を好きになりましたねとツアーオーラスの挨拶で言ってくれたらしい。私もそう思う。そう思うよ!だからパーンと明るく楽しく、常に後悔しないように、彼らに感謝してオタク活動をしていきたい。
 
ちょっぴり危険なうちわは作らないとして、本当は大声で叫び回りたい。街中を叫びながら走りたいし愛メロを捧げたい。
V6、20周年おめでとうございます!!ありがとう!!20周年ありがとう!!おめでとう!!
 
やっぱりこれも危険なので頭の中だけに留めるとして、年末までいっぱいある楽しみを全力で盛り上げたい。というか早くファンクラブに入りたい!!まだ給料は出ない。
そして来年からはどんどこお金を使いつつ応援していきます。
来年もメンバー全員健康でありますように。
改めてV6デビュー20周年、本当におめでとうございました。

*1:女性アイドルはハロプロ以外無知なので今の女性アイドル事情は変わっているのかもしれない

*2:ベストアーティスト

こんな私だけどV6を好きになってもいいですか

 

「この感動を共有したい!」
 
番組終了間際、良く通る男性の声で発されたのはモーニング娘。'15がその日披露した新曲*1に出てくる台詞だった。突然のことにきゃあっと沸き立つ娘。メンバー達。芸能人に初めて遭遇した女子中高生ばりに驚いている姿はとてもかわいかった。男性はそんなメンバー達をちらりと見て自分のグループのメンバーとも顔を見合わせる。その男性、井ノ原快彦さんは終始笑顔だった。V6のメンバーも皆はにかむように笑っている。
私は瞬きすら忘れテレビ画面を見つめた。
テレビに映る男性達に釘付けになったのは、もしかしたらあれが初めてかもしれない。
 
V6ってなんなんだ!?さらっと言っていたけどあれは普通じゃ考えられないくらいすごい事だった。あの日ミュージックステーションは2時間スペシャルで、娘。の出番は1番最初だったのだ。他のアーティストの歌も聞き、自分の出番もあって、だけど最初のグループの事を覚えていてスムーズな会話の流れのまま最後のコメントで触れる。単に井ノ原さんの記憶力がすごいという事かも知れないけど、私はグループ全体が強く印象に残った。あの時のメンバーの優しげな笑みがちかちかと点滅する。
 
小中高とジャニーズをスルーしてきた女にとって、彼らは未知の集団だった。知っていたのはジャニーズのグループで、岡田准一さんが所属しているということのみ。ファンになって気づいたが世間一般の人は私よりずっと彼らのことを認知していた。メンバーの名前は全員言えるしなんなら彼らのちょっとした特長まで知っている。少なくとも私の周りには年代を問わず、当たり前のようにV6について話せる人だらけだった。でもテレビをほとんど見なかった私にとっては何も当たり前じゃなかった。
 
ちなみにその日彼らのパフォーマンスを見なかったのかというと、見た。正直な話冒頭の娘。が終わってから私は息も絶え絶え他のアーティストに目もくれず感想ツイートを連発していた。そこに流れた彼らの楽曲。スマホから顔を上げテレビを見た。スーツの様なシックな衣装で歌って踊る男性グループ。画面にはV6と表示されていた。あ、V6ってこんなに踊るグループなんだ…揃ってて歌もうまくて素敵。お分かりの通り私は本当に何も知らなかった。V6はダンスが得意なグループ、ジャニオタでなくとも認識されている事実だろう。知らなかった。
ハロオタにとって歌がうまい、ダンスが揃っている、は大変重要なポイントだと思う。この時点で彼らに興味を持っていたんだろう。そして最後のこの感動を共有したい!事件。いのっちありがとう……ありがとう…とツイートを残し私はV6について検索をかけていた。
 
プロフィールを見てまず驚いた。年上組、年下組に分かれているらしい。踊るメンバー達にそこまで年齢差を感じなかった。全員30代前半かな〜なんて思ってた。
そしたら40代がいる。リーダーである坂本昌行さんは44歳になったばかりだった。別にだからなんだという訳ではない。それを私はすんなり受け入れた。ジャニーズだからな、そりゃSMAPとかもそのくらいの歳で活動してるしありえるよな、くらいに軽く受け止めた。*2
そして一番びっくりしたのは岡田准一さんが最年少だったことだ。彼が年上そうというよりもメンバーにもっと若く見える人いたのに!誰だろう!?と思ってたから。顔と名前が一致しない状態で調べていたからその時は結局わからなかったけど、まぁ三宅健さんだった。ついでに森田剛さんは髭があり前髪を上げている姿しか見ていなかったので年上組だと思ってた。この人絶対怖いわV6でやっていけてるのかな…なんて考えてた。今となっては笑ってしまうけどここから3ヶ月足らずで剛くんは妖精だね…って言っているから人間変わるものだ。
 
この時作業用に聞いていたのはもっぱらジャニーズカウントダウンコンサート、通称カウコンだった。本当はV6のシングルを…と思ったけどもちろんYouTubeになかった。ハロプロのシングルは公式が全てPVをアップしてるからそのノリだった。ハロプロに慣れた人間にとってジャニーズはカルチャーショックの連続だ。カウコンならテレビで見たことあるし有名な曲も多いから聞いてて楽しそうよね、と片っ端から聞き始めた。
 
軽い気持ちで流していたがここである曲にハマることになる。シャッフルメドレーが始まっていた。そもそもどのグループが元々歌っているか知らないので、曲の感じからV6の曲を掴もう…と思ってた。多分ユーロビート系、もしくはWAになって踊るやつ…そこに的を絞っていた中、ポップで弾むようなメロディー、きらきらとした音が流れ耳がキーンとした。
それがあの曲、みんな大好きDarlingだった。歌っていたのはKinKi Kidsの2人。ダーリン、ダーリン、いいんじゃない…そう聞こえる。圧倒的なアイドルソング!どのグループの曲!?あ、若い子達か?全然分からなかったけどリピートした。何回も繰り返した後で歌い始める直前、V6のDarling!と言っている声に気づいた。その瞬間長野博さん美しすぎ…と画像検索していた手を一旦止め、V6 Darlingとパソコンに打ち込んだ。
 
Darling! Darling! いい just night…そう歌詞に書いてある。しびれた。この歌詞を見て、聞いて、V6を好きにならないハロオタはいない、そう断言できるほど私のオタク心にヒットした。カラオケで初めてまともに歌詞を見て、こんなこと言ってるの!?とびっくりする、そんな曲*3愛するハロオタ的にはgoodと来ないわけがない。そしてあのキャッチーなサビ!だーりんだーりん……と気づけば口ずさむ。当然音源が欲しくなって、iTunesを巡った。
ジャニーズの曲はiTunesには無い。これ、本当に初めて知ったし物凄いびっくりした。日本国民にとって常識だったらどうしよう、このままじゃいつか恥をかいていた。知れて良かった。
 
CDを借りよう、まずは借りよう、じゃあ何を?また調べ出した。そしたらSUPER Very Bestなんてアルバムがある。全シングルを収録!!お得過ぎる!!彼らの20周年記念アルバムのような物らしい。そう、これ。人間20年もアイドルを続けられるのか。彼らのことを新規なりに調べた今、この事も書きたい。長くなりそうだから今回は割愛。そのありがたいアルバムと、最新アルバムであるOh! My! Goodness!を借りた。
 
最新アルバムを開いてびっくり、一曲毎にライナーノーツが付いていた。私は楽曲に込められた思いとか意味とかを知るのが大好きだ。バックステージを追った映像にもどうしようもないときめきを覚える人種だ。完璧に完成された表だけ知っていればいいし、裏を知るなんてヤボという意見もあるけど、私は好き。それを踏まえて表を見返すと何倍にも魅力が増すと思ってる。意味を知りたくて楽曲を無駄に深読みしたりするから、公式がライナーノーツを出していることはご褒美でしかない。楽曲制作にメンバーが深く関わり、自らその曲を歌い上げる。彼らはアーティストだ、そう思った。ライナーノーツを舐めるように読みアルバムを1周した頃には私は完全にV6の楽曲に惚れていた。Oh! My! Goodness!、とんでもない名盤だと思います。
SUPER Very Bestも本当に良かった。一言で感想を言うなら幅が広い。さすが20年活動しているだけある。JPOPの歴史を総ざらいしている気分だった。
曲を好きになるともう止まらない。ひたすらにCDを借りまくった。6人の歌声がまた良い。6人6様のそれぞれが宝石みたいに美しい声だった。それがユニゾンになるとぴったり溶け合う。1曲聞くごとに最高…最高‥と呟く怪しい女になるしかなかった。
 
この時も彼らについて調べる手は止めていなかった。そしてたどり着いたのはあらゆる二次元ジャンルでトレスされているであろう定番ネタ、「修学旅行」の元ネタが彼らであるという事実だった。整いまくったビジュアルであんなに素敵な曲を歌い踊るイメージしかなかった彼らが脳内で組体操を始めた。あの可哀想な役回り、坂本さんだったんだ…縞パン履いてたの井ノ原さんなんだ…動画を見すぎて内容把握は完璧だった。
私はギャップに弱い。甘めのビジュアルにクールな性格のキャラ等とにかくギャップを見せつけられるとコロッと落ちる。
これまた有名な学校内ペア肝試しの元ネタまでV6と判明し、私は単なる楽曲オタではなくV6というグループに助走をつけて飛び込んだ。
 
知れば知るほど、全員魅力的な人柄だった。あらゆるコンサートのレポにメンバーへの愛が爆発した。オーラスのあの対応*4について他グループファンの友人がV6凄すぎるよ、と真顔で言ってきた。学校へ行こう!2015の話題が私のあらゆるアカウントのTLを占拠した時、素直に感動した。ベストアーティストでバク転をした時、隣部屋への迷惑を忘れ思わず1人叫んでいた。グループとして2度目の紅白出場、そして井ノ原さんは司会者に決定し、私は人生で初めて真剣に紅白を見ることになった。
 
素晴らしい人たちを好きになった。彼らが同じ時代を生きて、輝きを放っている事に気づけて本当に良かった。20周年のアニバーサリーイヤーである今年は、本人達も言うようにグループとしての活動がとてもたくさんあった。私はその中のひとつを偶然見て、あれよあれよとここまで来た。しかし自分の中では戸惑いがある。これらは彼らと共に歩んできたファン、そして何より個人の活動が増えながらもV6で居続けてくれた彼ら自身の為の20周年の活動なんじゃないか。
CDを1枚も買ってない、DVDも持っていない、立ち読みで済ませる雑誌ばかり、出演するテレビ番組を全て追えていない。ジャニーズに関する知識が日本国民にあるまじきレベルで無い。そんな私は彼らのファンと公言していいのか?TwitterのV6アカウントを作るのも、1ヶ月くらい悩んだ。だけど熱は一過性のものではなく、彼らへの思いは強まる毎日だった。1人でもやもやしていても仕方なかった。
 
今度、お給料が出る。私は人生初のアルバイトを始めた。働く事にビビっていてずっと始められずにいたが、踏み出したらなんとかなるものだ。そのお金で、ファンクラブに入ると密かに決めている。
会員証が届いた時、私はきっと泣くと思う。これでようやくファンになってから彼らに恩返しができたと、今までありがとうこれから応援させて下さいと。
好きでいることがファンであることという気持ちは昔からあった。それは今も変わらない。だけど私が出したお金がほんの少しでも彼らの応援になるなら、感謝の気持ちを表せるなら少しずつでもその手段を使いたい。
 
こんな壮大な自分語りを書こうと思ったのは、今この時の気持ちを残しておきたいからだ。いつか、ファンでいていいかなんて悩んでた時期もあったなぁと笑って見返す時が来て欲しい。それは30周年の時か、もっと前か後か分からない。その間に彼らに何が起こるかも分からない。だって私も彼らも生きている人間だから。生きている人を好きになることは、楽しくて覚悟がいる。
この発売ラッシュの中2冊しか買えてない雑誌を机の上に飾っている。ふとした瞬間に表紙の彼らを見て思う。こんな私だけど、V6の皆さんのこと好きになってもいいですか。
 

*1:Oh my wish!

*2:ジャニーズグループがアイドルで居続けている上でのSMAPの功績を知らなかった。

*3:なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?とかです。

*4:音漏れ云々