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その美しさを描けない

割り切れないshotにgoodきてる

2015年のクリスマス

 

枕元にプレゼントが置かれなくなって、もう何年経つだろう。
幼い頃は1ヶ月以上前から今年は何を貰おうかあれこれ考え、そりゃもういい子に過ごしたものだった。
両親からプレゼントを貰う形になんとなく変わってイヴの夜に少しいいものを食べる、そんな日に変わってからもクリスマスは特別だった。
 
今年はクリスマスイヴを初めて1人で過ごすことになった。しかし手帳にバイト、とだけ書かれた24日の予定を見ても特に何も感じず、あぁまた大人になってしまったなぁと苦笑いした。
別に深い意味があるわけじゃなく、特別だと素直に喜ぶ日が減ってしまったことに対する寂しさが胸に染みた。母が今ひとつ誕生日を喜ばないのと一緒だ。
 
そんな中舞い降りた、V6がミュージックソンのメインパーソナリティをするという情報。
小躍りして喜んだ。今年のクリスマスは君に決めた!!!!
ミュージックソンの存在すら知らなかった私は来たる放送に向けて色々と調べた。これがまた楽しかったし勉強になった。クリスマスの予定を立てるような気分で暇さえあれば検索をかけていた。
 
迎えた当日、初っ端から6人体制で始まったラジオに大興奮した。坂本さんと三宅さんが主にパーソナリティしますよ〜という感じだったのでいきなり訪れたわちゃわちゃっぷりにこっちが適応出来なかった。
 
にやにやしながらもようやく状況を掴めそうな時、立て続けに訪れた今年のコンサートDVD発売の情報。Twitterのタイムラインは誰が何に興奮してるのか分からなくなった。
過去作品もBlu-ray化が決定、坂本さんのソロコンサートもホームページが更新されるという新情報の嵐。Blu-ray鑑賞環境を整えなきゃだし坂本担はコンサートに行く前に彼がかっこよすぎてどうにかならないのか…?大丈夫?私は見た瞬間頭痛がした、かっこよすぎて。
 
バイトの時間も彼らに思いを馳せ、夜はまた1人ラジオを聞いた。
岡田さんと井ノ原さんの軽快なトークからついに全員揃い、家族の団らんを見せつけられた。夜の6人のノリとても楽しかった。
 
そして12時、クリスマスをカウントダウンで迎えお待ちかねのクリスマススペシャルメドレー。本当に本当に幸せな時間だった。
クリスマス仕様にアレンジされていて華やかさが増した曲。今回のメインであろう愛なんだに始まりまさかのトニセン曲、カミセン曲。どうか歌ってくれその存在を思い出してくれと熱望されていただろう曲に撃ち抜かれた。
それでAirですよ。ファンの致死率100%のラブソング。井ノ原さんの出だしで一瞬涙が引っ込むほど衝撃を受けた。ここでこれを歌ってくれますか……!
最後は愛のMelody。シングルではこの曲がいちばん好きだ。よって大号泣だった。いつもは晴れ晴れとした空に向かうような歌声のこの曲だが、その時は星空へ抜けていくきらめきをまとっていた。
アンコールのMIRACLE STARTERはテンションが上がりすぎて深夜に今にも踊り出さんとしていた。
大人の声で当時の曲が聴けるってやっぱり良い。歌詞に深みを感じるし声自体もどこかしっとりしてて素晴らしい。初期曲のセルフカバーして欲しい。
 
何よりライブ前に言ってくれた、あなたのために歌いますってなんて素敵なんだろう。ラジオで生ライブを聴く経験は初めてだったけど、大満足お腹いっぱい!って感じだ。選曲もめちゃくちゃ良かったんですけど、三宅さん、一枚噛んでますか?
今のこうしてごちゃごちゃと感想を書いてはいるものの、実際聴いている間は歌がうまいだの最高だのこの曲はだめだの無理だの語彙力が消えていた。でもまじで本当に最高だったぜ…。
 
満ち足りた気分で眠りに就いた。それは早朝目覚めて枕元のプレゼントを抱きしめた時の気持ちに似ている。とても特別な夜だった。BGMは特別な夜は平凡な夜の次に来るだった。ときめきが胸に弾けてなかなか寝付けなかった。
だからまだ翌朝の予定の重大さを理解していなかった。
 
観覧へ行く。そう決めて5時半に目覚ましをかけた。今日はバイトで行けなかったけど明日は行けるじゃん!ニッポン放送には1度募金に行っていたので道に迷うこともない。初日のラジオを聞き募金したい気持ちも高まっていた。
 
もしかして私はとんでもないことをしてるかもしれないと気づいたのは有楽町に着いてからだった。
V6に会うのか??V6ってあのV6?列に並ぶ人に声を掛ける通行人と同じことを思ってた。
思っていたよりずっと長い待機列。最後尾目指して歩けばすれ違う人皆V6を見に来ていると言っても過言じゃない事実。
ラジオを聞きっぱなしだったので誰が今スタジオに居るのか手に取るように分かる。その時のメンバーは坂本さん、長野さん、三宅さんだった。最近恐らく自分は三宅担だな…と自覚し始めたので私は1人震えていた。Twitterのアイコンを見るにどう考えても三宅担だろとは言わないでください。ポエマーだから思い悩むことが生業みたいなものだ。
 
意外とするする進む列に私はびびりまくっていた。というより後悔していた。昨日は会いたい!なんて気軽に思ったけどそれは深夜のテンションかつV6メドレーで留まることを知らないパッションがそう思わせたのだ。
 
私V6に会う準備何もしてない。会うと言っても1分に満たない時間であることは把握していた。たかが1分されど1分。
そりゃファンとして、常識を疑う格好だと思われないため身なりは整えたし待機中の体調管理にも努めた。
なんというか心構えだ。お前V6に会うんだぞ、分かってるのかと何度も何度も言い聞かせた。しかしもう遅い。あっと言う間に地下へと吸い込まれていった。
 
歴代のパーソナリティの写真が飾られた階段を降りながら、もはや私は冷静だった。あぁ、この年はこの人だったのね……そうかぁ…1段1段上の空でよく踏み外さなかったものだ。
階段が目の前から消え電話受けをしているスタッフの方が見えた時、現実に引き戻された。もうだめだ、服の裾をぐっと握った。立ち止まらないで下さいと注意を促す声が頭の上をかすめ、それでも足は流されるように進んだ。
 
三宅健さんがいた。
ひゅっと喉が鳴り息が止まった。椅子に腰掛け机に肘を軽く置き、ゲストと会話している。白のタートルネックからほっそりとした首が伸び私の手のひら程の大きさにしか思えない顔に繋がっている。
口角が完璧に美しい角度で上がっていて目尻はそっと下がっており、笑ってるんだと理解が追いついた。
鼻はすうっと高くて茶色の髪はつやつやと耳元に流れている。彼は1度もこちらを見なかった。ゲストが来ているから当然だ。右半身を見ただけでこれだけ語れるんだからちらりとでも向かれたら大変なことになっていた。
 
向かいには長野さんも座っていた。どう微笑めばそんなに優しい顔になれるのか分からないくらいの微笑みっぷりだった。がっしりした肩幅にすらーっと伸びた長い脚。想像以上に男性の体型でスタイルがめちゃくちゃに良かった。長野さんの柔らかい声質や優しいエピソード、振る舞いを見て勝手に女性的なイメージを作り勝手にギャップを感じて勝手にときめいた。いい迷惑である。
 
時間にして約30秒、私はスタジオを見つめ続けた。再び階段に足を持っていき体を今度は上へと運んだ。息切れがひどかった。どっと疲れて頭だけがフル回転していた。
この世でいちばん美しいスノードームを見たような衝撃を受けていた。ガラスの向こうは違う世界に思われた。
今いた人って誰だ?私は誰を見ていたんだっけ?自分でもだいぶキてるなと分かった。
 
ショート寸前だったが募金は忘れなかった。あらかじめ用意していたお金を取り出し募金箱に入れた。2枚目となるステッカーを受け取り外へ出た。ステッカーに印刷された彼らを見ていよいよ目眩に襲われ適当なお店に入った。
 
思いを1人で煮詰めないようにTwitterに吐き出した。今見返したらみや……みやけけんくん……とかしか言ってない。ろくなことをつぶやかない。
それでもようやく心が落ち着いて来て、ステッカーを取り出して見た。並んだ6人、笑顔の三宅さんがそこにはいた。
その髪も目も何もかもさっき見つめた男性だった。脳が処理を終えて頭の熱が治まっていく。三宅さんだった。確かにあの人は三宅さんだ。
 
そう分かると好きな人に会ったという実感が湧いてきて、ぽんぽんと心に幸せの花が咲いた。これは意外だった。会う覚悟や準備が足りていないとひしひし感じていたからまた意味のわからない落ち込みモードに陥ると思ってた。
好きな人に会うって嬉しいこと以外の何でもない。考えをこねくり回すのが得意技な私がすっかり忘れていたことだった。
 
ラジオも最後まで聴いた。エンディングとても感動的だった。ラジオはV6目的で聞き始めたもののチャリティーに関して考えるきっかけになったしタメになった。自分の心の栄養になっている気がするというお便りに共感した。せっかく知識を得たなら活かさない手はないし、これだけで終わらないようにしたい。これもV6から貰ったプレゼントだと言える。できる何かが愛なんだ。
 
2015年のクリスマスを私は忘れないだろう。抱えきれないほどのプレゼントを貰って幸せ者だ。
私が彼らに返せるものって何かと考えたけど、素敵なファンと言ってもらい続けるような行動をし続けることしかない。いい子の所にしかサンタさんは来ないぞと肝に銘じたい。
 
いやぁ、幸せだ。年末には紅白という一大イベントが待ち受けている。長野さん出演舞台の再演も決まりめでたいこと続きだ。
V6を好きになって良かったと今日も思う。私はしばらくあの30秒の余韻に浸ろう。ガラスごしでも同じ空間を生きていたあの時間を。