その美しさを描けない

割り切れないshotにgoodきてる

愛の肖像


一筋の光が舞い降りてくる。
それはあまりに少女漫画的で、一瞬一瞬をコマ割りしたような場面だった。
あの光はここへ降ってくる、そう確信して私は両手を伸ばす。その時の自分はきっと、神様に祈りを捧げるような姿だった。
しゅるしゅると音を立てて手の中に収まった銀色の光、ピンク色の光、私の月光よ。

あれが永遠、あれがすべてだ。頭の中ではずっと同じ曲が鳴り響いていた。


私はあなたのために生きたかった。
だけど私はあまりに不釣り合いだ。
当然だけど私じゃあなたを守れない。そばにいるのはもってのほか、あと生きてるうちに何回会えるか分からない。
お金もたくさんは使えない。
お金は使いたくて使っているから義務を感じて苦しんでいるのではなく、単に額が多いに越したことはない。

私はあなたから受け取ってばかりで、与えられるものなど何もないのだ。
苦しかった。同い年だから余計苦しかった。それなのに好きなるばかりで。

私にとって同い年は呪いだった。
彼と私は同じ年月を過ごしてきたのに、彼の人生には私が計り知れない努力と失敗と感情の動きと成功がある。
そもそも身を置いている世界が違うから当たり前ではあるのだ。
だけどこれからも差がつき続けるんだと思うと、息が切れて倒れ込んでしまいそうだった。

あなたをみることをやめるか、この気持ちを捨てるしか道が無いと思っていた。
穏やかなファンに戻れるならそれに越したことはないけれどきっと無理だと感じていた。


ドームは、あなたの望んだ景色のひとつだ。
心底嬉しかった。あなたが嬉しいと私も嬉しい。
元々はそんな気持ちをもっと共有していきたいだけだったのだ。
空気は冷たく、だんだんと月明かりがまっすぐ届く季節に変わっていくにつれ、気持ちがゆるやかになるのを感じた。
絡まったコードは知らぬ間にゆっくりと解かれていき、永久凍土かと思われた私の氷もやわやわと月に照らされていたのだ。

初めてのコンサートを経ることで彼らに対する思いがより強まり、何かしらの変化を遂げるだろうことは分かっていた。
最近はそれが怖くなかった。良い方向に違いないとどこかで安心できていた。

そして実際本当に、本当に素晴らしいコンサートだった。
過去があり、今があり、未来も見えていた。
私はずっと好きだ好きだと心で叫べて声にも出せて、好意を向けることがあんなにも優しく許されている空間を知らなかった。

心で繋がっている、というかあの空間にいた人々だけでなく、彼らに気持ちを持っている人すべての愛を抱き抱えようとしてくれたのだ。


そして私の呪いも解けた。
コンサートを通してすごく自然に、彼とともに生きていきたいなぁという気持ちが胸にこみ上げてきた。
小瀧望君のこと、何よりジャニーズWESTまるごと、びっくりするくらい好きだ。

彼は悪いことも良いことも見失わない人だった。そこに年代は関係無く、昔のことも今のことも整頓した上で保管していた。
あんまり開けていない箱を引っ張り出したりもしたから、感情が波になって漂っている場面もあった。

それでいいんだ。なんでも、なんでもいいんだよ。私、あなたの見せてくれている部分を根元から葉の先まで、きっと愛しているのだ。
呪いが解けたあとに残ったこの感情は、たぶん愛なのだろう。
自分の中のひとつの思いに、こんなに美しい終わりが訪れるとは思わなかった。

愛したところで、どうなりたい訳ではない。この先目が合うかも分からない青年と本当に恋に落ちたいのではない。

だから、同じ時間を生きたい。いつもは違う場所でも、違う目標を持っていても。
氷を抱えて生きるのは大変だけど、月の光に照らされて歩くのは何もつらくない。

だけどあなたがファンの皆さん、と語りかけた時は自分もその中のひとりだと思って聞きたい。一緒にたくさんの幸せを経験したい。

悲しいことがあったなら、それを表に出したなら、私だって悲しむだろう。
変わっていくことなんて当たり前だ。私だって変わっていくのだから。そこにマイナスの感情はうまれないと誓おう。


銀テが会場に放たれてから私の手に1本収まるまで、頭の中でベートーヴェンの「月光」が流れていた。

なんというか、最初から決まっていたのだ。不滅の恋人に贈られたこの曲はあなたを好きになった春からずっと、この気持ちのテーマソングだった。

あなたも私の不滅の恋……人と言うと多方面から刺されそうだし、そこまで求めてはいない。
だけどそのくらい愛しい。


「私の天使、私のすべて、人生、私自身よ…」
そんな書き出しで綴られ送られなかった手紙のように、私もあなたへ届かないラブレターを書き続けよう。

それでいい。あなたから見て、あのペンライトの光のうちひとつでいられるなら十分だ。
それであれだけ笑顔になってくれる、あの幸せを一生忘れない。

月の光は静かに柔らかく夜を照らしてくれるから好きだ。
月が見えない夜はさみしかった。
けれど今は見えなくっても変わらず輝いていて、そういう日もあるんだと思える。

ここまで勝手に思い悩んだことすべてが肯定のうえに消え去って、25日の夜に涙が流れた。
あなたの大切な場所、大阪は私にとっても大切な場所になった。
私なんかを連れてきてくれてありがとう。大阪の月もきれいだった。
これからもいろんな場所に連れていってくれる彼らと、あなたと、たくさんの光を見よう。


「永遠にあなたの、永遠に私の、永遠に私たちの」夢みたいな現実を見続けよう。
いつか何かしらの終わりが来る必然はひとまず忘れ、優しいメロディに乗って踊ろう。
そして私はこの愛の記憶を永遠と定義する。
あなたは愛そのものだ。